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春雨夜のシルエット

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春雨夜のシルエット

春という季節、実はそこそこ雨が多いものです。春の雨と言えば春雨。サクラが咲くころ、花見に出かけようとしたら雨だった、というパターンも多いこの時期の雨は、サクラを散らしてしまう憎らしい存在。と同時に、温かくなった空気の中、静かに降り注ぎ雨には、独特の「しとやかさ」のようなものすら感じられます。

そんなことはさておき、昨夜、会社を出ると思いっきり雨が降ってました。これは僕の性格なのですが、いくら天気予報で「夕方から雨」と言われても、朝家を出るときに雨が降っていなければ傘を持って行かないのです。そんなわけなので、帰宅時に雨が降っていてびしょ濡れなんてことがよくあります。天気の仕事をしている人間とは思えない不用心さです。

そもそも僕はすごい雨男でした。「ここぞ!」というときには必ず雨が降っていたのです。でも、昔からそうだったわけではないのです。大学時代はむしろ晴れ男でした。しかし大学を卒業して映像業界で仕事をし始めてから、だんだん雲行きが怪しくなってきたのです。映像制作を行う人間はよくロケに出ます。ロケを一回行うにはけっこうなお金がかかるのです。ですからロケに出かけるときは万全の状態で出発したいものなのです。当然のことながら天気も晴れていてくれた方が映像もキレイになるので助かります。しかし、僕がロケに出るときはなぜだか「曇り」ばかりなのです。ロケをできなくはないけど、好ましくない状態です。でも、これだったらまだマシなのですが、そのうち「すごく雲が厚い曇り」ばかりになっていったのです。これは最悪です。むしろ雨が降ってくれればロケを中止にすることもできるのに、なまじ雨が降ってないからロケに出かけなきゃいけない。でも映像的にはよろしくないといった状態なのです。一緒によく出かけるカメラマンも、僕の「曇り男」ぶりをよく知っているので、いつも悪態つかれていました。

時は流れ、テレビ業界に転職をしてからというもの、事態は悪化の一途をたどります。テレビ番組はCMなどと比べると予算が少ないので、一度仕込んだロケを中止するということは、よほどのことがない限りあり得ないのです。そのため、どんな雨でもロケを行います。このころになると、僕が出るロケは必ず「雨」になります。しまいには「台風」だとか「豪雨」などという異常気象が頻発します。その最高潮が以前、日記で書いた沖縄ロケの台風あたりです。もはや飛行機も飛ばないような台風だったり、自分自身が交通事故を起こしちゃう強風の中、ロケに出かけなきゃいけないのです。このころはさすがに自分で自分の運命を呪いましたね。

さらに時は流れ、去年の末に映像業界を辞め、今の仕事に転職しました。すると、どうしたことか「雨」や「曇り」の確率が下がったような気がするのです。よくよく考えてみると、これって僕の精神状態と天候が比例していることに気づいたのです。大学時代は毎日、すごく楽しく過ごしていました。そして卒業後、映像業界の仕事を始めてからというもの、かなりしんどい毎日が続いていたため、楽しいかと言われるとなかなか「楽しい」とは即答できないような日々でした。テレビ業界に転職してからは、「生きるか死ぬか」みたいな毎日だったので、楽しいかと言われると「つらい」としか言えないような日々だったりしたこともありました。要するに僕の精神状態のバイオリズムと天気が連動しているのです。

いや、もちろんわかってますよ。「雨男」なんてものに何の根拠もないってことぐらい。でも、原因ってホントに精神状態なのでしょうね。つらいときは厳しい状況に目を向けやすい状態にあるので、ロケで雨なんていうシチュエーションに過敏に反応して、「雨」の印象が強く心に残っちゃってるんじゃないですかね?今は外出するときに雨が降っているイメージはあまりないので、おそらく精神的に追いつめられていないのでしょうね。確かに今は毎日すごく楽しく仕事に取り組んでいるので、追いつめられてる感じはありません。「仕事を楽しむ」って言葉にすると簡単ですが、意外と難しいものだと再認識できた昨夜の雨でした。

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